明治5年6月1日に、四国高知県で次のような切手が発行されています。「村送切手」 (ムラオクリ切手)です。東京から遠い島である四国のこと、県内だけに通用する切手を 発行し、実際に使用されました。切手の種類は、三里巳下・六里巳下・九里巳下・十二里 巳下・十六里巳上・公用・公用昼夜送の7種類になっており、公用と公用昼夜送が朱色印 刷で他は黒色印刷の切手です。銅製手彫り凹版の凹版印刷です。掲示の切手を見てお分かりのように、周りの図柄はそれぞ れ違います。特に興味を引くのは、十六里巳上の切手の地球儀の図柄です。明治維新後数 年しか経っていないのに、東京から遙かに遠い高知県が作成しているのです。でも、坂本竜 馬ほか外国へ目を向け、わが国の発展を強力に押し進めようとした、先見の明のある武士 や文人がいたことから、それ以後も進んだ考えを持っていた人物が大勢いたのではないで しょうか。